日なたのアイスクリーム

オタク気質30代の散文裏ブログ。日常での気づきやオチのない日記、犬や猫のことなど。

2番目のチキンと食べやすいチキンと1位のあの子

ファミリーマートの入り口の垂れ幕?にでかでかと書いてあるクリスマス仕様のコピーが「ファミマは日本で2番目に人気のチキンのお店!」なのがここ数日ずっと気になっている。で、ちなみになんですけどね、と言わんばかりのノリで「1位はあのチキンの有名店!」と小さく書いてある。

二度見したその後、そうだ、そういうウィットに富んだ雰囲気の戦略は古くからあったな、某炭酸飲料だってそうだなと脳内で納得させる。まあ今回はコンビニとファーストフードという若干フィールドも突き破った企画になっていそうではあるが。

 

少し歩いてモスバーガーの前を通ると「食べやすさで選べば、モスチキン♪」と書いてある。勝手にデジャヴを覚え二度見し、また放っておけなくなる。

ここもか。君もか。

 

クリスマス商戦、コピー合戦、チキンのプレゼン。謙遜した主張が控えめと自虐を両立させてきた。各企業の売り場に並ぶたくさんのチキンに想いを馳せる。得意領域を把握する冷静さ、求められる役割に徹する仕事人のようなスタイルだなと思う(誤解なきようにはじめに言っておくと、これからする話の「食べる」も「食べやすい」もチキンを食べるということ、それ以上でも以下でもない)。

 

二社ともどうやってもこの時期ケン◯ッ◯ーには敵わないことを最初から認めつつ、こちらは争う気もないんやでと白旗を上げつつ、しかしその「一歩以上譲って控えめに自分の立場を主張する姿」が逆に今で言うあざとい感じになってしまっているような気もするのは戦略なのか、天然なのか。

2番目で本命にはなれないけど、こちらには2番目にしかない魅力があるし(?)、2番目でも最高においしいって知ってくれている人もいるから。誰かは見ていてくれるから。

人気投票1位にはなれないけど、でも誰にも負けない訴求ポイントがある。それ以外で張り合う気はない、でも「ここだけ」は自信があるんです。そこでたたかう。

そういえば自分のフィールドを早い段階で見極めて居場所を確立させた某さっしーは人気投票1位になったが、それ以前の「さしこのくせに」は秀逸なネーミングセンスだったと思う。彼女がプロデュースしたリリミュウのコスメ可愛いんだよね。考え方や美容の話も好んで見ている。

 

チキンのプレゼンをアイドルの世界や本命体質かそうじゃないかの議論に発展させるわけではないが、こういう状況って日常生活でもあるんだろうなあ、あるよなあとふと考えてしまうね。誰かと比べること、敵わないことがある事実を受け止めて、そこからどう自分のままで潰れず強みを見つけて生きていくか。なんて。

あと、ライバルがいるから頑張れる少年漫画構図もやっぱりあると思う。飲料業界もファーストフードもコンビニも、ひとつの企業からヒットアイテムが出たらそれを超えるいいものを作ろうときっとやる気を出すのだろうし、ライバル同士で切磋琢磨して記録を塗り替えられたりするものね。マラソンだって設楽悠太日本記録を大迫や鈴木がするりと更新して、日本選手どこまでいくんだろうって思ったりもした。

 

今回のコピー云々とは別の話だけど、昔、電車が人的トラブルで何時間も動かずあまり知らない駅で降りざるを得なく、ごはんも食べておらず途方にくれたときに発見したファミマでファミチキをぱくりと食べたときの感動は忘れられないよ。 #ファミマのうますぎクリスマス  か。コンビニもファーストフードも自動販売機も、ほんとありがたい発明だよ。

 

f:id:megumirai_words:20211218234941j:image

 

ちなみに1位なのか本命なのかは個人の見解に任せたい某タッキーのクリスマスメニューページを見てみると、とりあえず「Happy Christmas 2021」とは書いてあった。そして煌びやかなパーティースタイルのテーブルコーデが組まれたチキンと乾杯ドリンクの画像がコピーなしで設置されていた。

この潔さは……確かに本命の相手は「おはよう」や「おかえり」「今日のごはん(写真)」とかいう何気ない挨拶だけでも言葉の重みというか、貴重さがあるのかな。むしろその挨拶ができる間柄なことが本命であることを物語っているのかもしれない。

話がだいぶごっちゃになってきたが、でもケンタ(人の名前みたいで余計ややこしくなる)もツイッターで特別なハッシュタグ絵文字を設定したり盛り上げているからあぐらをかいているわけではないと思う。もちろん竹内まりやさんという強力なパートナーもいるが、みんな毎年自分の仕事をまっとうしているんだよな。

とにかく、どのチキンもさまざまな家庭や環境に幸せな時間を運んでくれるといい。そしてクリスマス祭り関係者の皆さま、毎年ありがとう。休めるときにしっかり休んでくださいね。